小さな違和感から始まった
最初に気づいたのは、右手の中指でした。
指先が重いような、痛いような不思議な違和感があり、「鍵盤を弾きすぎたかな?」と軽く考えていました。
しかし数日後には、その違和感が一日中続くしびれに変わり、
小指以外の指がジンジンして、夜も眠れないほどになってしまいました。
なんて表現したらいいのか⋯正座で足が痺れたときのような、あのジンジンした感じです。
1ヶ月くらい経ったころ、左手にも同じ症状が出てきました。指先の感覚が弱くなり、
ボタンが留められない、ひもが結べない、お箸が使いにくい——
そんな不便がどんどん増えていきました。
最初の病院では「加齢」との診断
不安になって病院へ行き、検査をひととおり受けましたが、言われたのは
「加齢ですね」
の一言だけ。
手首に注射を一本ずつ打ってもらったものの、
しびれも痛みもまったく良くならず、むしろ悪化するばかりでした。
親指は思うように動かず、OKサインができない状態に。
ペットボトルのフタは開けられず、財布からお札を出すことにも時間がかかり、日常生活がどんどんつらくなっていきました。
バネ指まで発症してしまう
しびれが強くなってきたころ、右手の中指と親指がバネ指に。
手を開こうとすると中指だけが「カックン」と引っかかってスムーズに伸びず、
自分の指なのに言うことをきかないような不安が押し寄せました。
別の病院で「すぐ手術が必要」と言われた
納得できずに別の病院へ行くと、先生の口から
「すぐに手術をしましょう」
とはっきり言われました。
病院と自分のスケジュールを調整し、2泊3日の入院。
不安はありましたが、少しでもよくなるなら…という気持ちで手術を決断しました。
手術後の変化は「別世界」だった
驚いたのは、手術直後。
あれほど悩まされていた痛みがまったくない。
そして、嘘のようにしびれが消えていたのです。
さらに、カックンと引っかかっていた中指のバネ指も改善。
視界がパッと明るくなるような、そんな気持ちでした。
ただ、私の場合は指の神経の走り方に特徴があり、
ダメージが大きかった部分があるため、回復には時間がかかると言われました。
リハビリと“我慢の時間”
退院時の指示はシンプルです。
- 鍵盤にはしばらく触らないこと
- 毎日グーパー運動を続けること
好きなことを我慢するのはつらかったですが、
「また弾くために今は休む時期」と自分に言い聞かせ、コツコツ続けました。
数年たって、また鍵盤に触れるようになった
今では少しずつですが、また鍵盤に触れています。
親指の動きは完全には戻らないため、無理をせず、
できる範囲でちょっと“ズル”しながら楽しく弾いています(笑)
しびれはなくなりましたが、
指先の感覚の鈍さだけは、長く付き合っていく必要があると言われました。
それでも——
また鍵盤を押せるようになったこと。それだけで十分うれしい。
今はそう思えています。
同じ症状で悩む方へ
これはあくまで私の体験談ですが、
「指先がおかしい」「しびれが続く」
そんな初期の違和感がある方は、どうか放っておかずに相談してみてください。
手根管症候群もバネ指も、早めに気づけば早く楽になります。
そして、ゆっくりでも前に進めば、また好きなことができる日がきっと来ます。
あなたの手が、すこしでも軽くなりますように。

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